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物流を制するものは、小売りを制する。PARTⅢ~インコタームズ習得で貿易のイニシアティブを獲れ!!~

2017年5月10日 カテゴリー:コンテナ物流, 物流知識, 知識・勉強

皆さん、大変ご無沙汰しております。

前回の投稿からなんと、2か月も空いてしまいました。

これについては小職の不徳のいたすところと反省しております。

そして既にゴールデンウィークも終わってしまいましたね。

皆さんは充実したGWを過ごされましたでしょうか?

小職は10年ぶりにフルでGW休暇を頂戴することが出来まして、大変充実した時間を過ごすことができました。

ありがとうございます<(_ _)>

さて、今回は物流を制するものは小売りを制するシリーズPART3 インコタームズシリーズ最終章 ~インコタームズ習得で貿易のイニシアティブを獲れ!!~

ということで、インコタームズを正しく理解することで実戦で大きな主導権を握るきっかけを作れるというお話です。

前回のPART2からの続きから、解説していこうと思います。

前回は着払い案件について、詳しく解説させていただきましたが、今回は先払い(元払い)条件について詳しく解説していこうと思います。

インコタームズ図表

復習として、上記のリンクを参照してください。

それでは下記の先払い(元払い)条件を検証して行きましょう。

①C&F (CNF,CFR) Cost and Freight (海上運賃込み条件)といい、売手(輸出者)は船に貨物を載せた時点で責任が買手(輸入者)へ移行する点はFOBと同じですが、その他に着港までの海上運賃を売手が負担します。それ以降のリスクと海上保険料は買手が負担します。

ちなみにC&Fの表記がCNF とCFRと3種類あるのは、昔email の互換性があまりなく、&の表記が文字化けしていまうのでCNFとCFRというような&を置き換えた表記となったということです。

GUNS & ROSES →GUNS N’ ROSES (GN’R)のような感じです。(笑)※R40

②CPT (Carriage Paid To) 運送費込条件 売手(輸出者)が指定した保税地域等に貨物を搬入した時点で売手の引渡義務が終了しますが、輸入地の保税地域等の指定地までの海上運賃は売手が負担します。それ以降のリスクと海上保険料は買手(輸入者)が負担します。

③CIF (Cost, Insurance and Freight)(海上運賃・保険料込み条件)といい、売手(輸出者)は船に貨物を載せた時点で責任が買手(輸入者)へ移行しますが、着港までの海上運賃と、海上保険料を売手が負担します。

④CIP (Carriage and Insurance Paid To) (運送費用・保険料込条件)といい、CPTの条件と同様の危険負担に加え、保険料も売手(輸出者)が負担します。

⑤DAP (DDU) (Delivered At Place) (仕向地持込渡し条件)といい、指定仕向地において物品が買手(輸入者)の処分に委ねられた時(車上渡し条件)、売手(輸出者)が引渡の義務(危険移転)をはたします。現地の配送手配は売手が行いますが、輸入通関の義務はありません。インコタームズ2010では輸入通関手続を当事者が希望する場合はDDPを選択すべきであるとされていますが、商慣習上、輸入通関費用も含んだ条件が非常に多いです。しかしながら、国によって買手(輸入者)専属の通関業者でなければ輸入申告できない場合がありますので、その場合は必然的に買手が輸入通関料を負担することになります。そのためDAP(DDU)の条件の場合、輸入地での通関費用はどちらが負担するのか明確にしておく必要がありますのでご注意ください。

⑥DDP (Delivery Duty Paid)( 関税込仕向地持込渡し条件)といい、指定仕向地において輸入通関を済ませ買手(輸入者)の処分に委ねられた時(車上渡し条件)、売主(輸出者)が引渡しの義務(危険移転)を果たします。売手が輸出入通関一切の義務を負います。

関税に付随する付加価値税(内国消費税等)も売手勘定である。所謂ドアto ドア配送で売手が全て手配します。

ちなみに、車上渡し条件FOT(Free On Truck )とは、 ドライバーが商材・商品を目的地まで運送しますが、荷台から荷物を下ろすのに、受取人が自ら降ろす条件で、ドライバーは荷下ろしは基本的に行いません。

通常日本国内においても、B to Bでの配送の場合この車上渡し条件が通常で、宅配便などのサービスのように、荷受け人に手渡しするという作業は含まれません。door to doorという表現をいますが、玄関までもっていくということは基本的にありませんのでご注意ください。

(※PART2でも解説しましたが、コンテナ輸送や、海上混載輸送、が一般化した現在ではFCA, CPT ,CIP,などを使用することが奨励されていますが、まだまだ、FOB, C&F, CIFが商慣習として定着しているのでそちらの方がメジャーです。FOB≒FCA, C&F≒CPT, CIF≒CIP

しかしながら、より責任範囲を明確にするために最新のインコタームズ2010を使用するのが適切です。)

 

以上が先払い(元払い)条件の代表的なインコタームズとなります。前回の着払い条件ともう一度比較していただき、復習されるとより理解が深まると思いますので、小難しい印象を受けるかもしれませんが、是非チャレンジしてみてください。

これらの先払い条件は、前回解説した着払い条件とは逆で、いづれも売手(輸出者)にイニシアティブがあるのがポイントです。

売手は自由に船会社、航空会社、フォワーダーを選択でき、自ら本船や航空機の手配をすることができる条件です。

売手の自由度が高いのです。Freedom !

売手のメリットは前述のとおり、①買い手に縛られることなく、自由にフォワーダー等を選択できるので、なじみの担当者へ御願いできる

②海上運賃 配送コストを INVOICE価格(商品価格)に載せることが出来るので、商品自体のコストを買手に把握されにくくなり、

一般的な料金よりも配送コストを安く仕入れることができれば、売手の利幅を大きくすることが出来る。

②はDAP やDDPなど、輸送範囲が大きくなるにつれて、効果が大きくなります。

③買手に対しての手配の負担を軽減できる。これは買手が貿易に慣れていなく、できれば可能な限り売手に手配して欲しいなどの要望に

答えることで、買手に対して印象を良くすることになります。

そして、買い手のメリットは、面倒な手続きを省くことができるので貿易初心者には打って付けの条件です。

 

どうですか?皆さんお分かりになりましたか? これらの条件を手持ちのカードとして持って置くことで交渉のテーブルについたとき、

優位に交渉の主導権を握ることが出来るのです。

例えば、売手がCIF価格で買い手に商品を提示してきたとします。CIF 価格USD1000 この金額が適正かどうか、運賃等がどの程度”オン”されているのか知っておいた方が良いですよね?

そのときは、FOB価格ではいくらか訪ねてください。CIF価格からFOB価格を引くと、海上運賃と保険料だけが見えてきますよね?

つまりどの程度海上運賃と保険料として加算しているかが見えてきます。FOB 価格はUSD800という金額が提示されたらつまりUSD200ドルが

保険料と海上運賃等として加算されていたのだと把握することができます。その際、買手側がUSD200以下で海上運賃と保険料を手配できるのであれば、FOBで契約したほうが、商品を安く仕入れられるということになります。

そしてEXWでということになれば、工場渡しの条件なので本当の意味での原価が見えてきます。

どうですか?

売手は「DDP DAPでも手配できますよ」なんて言ってみたら、買い手に「おお!?そんなことまでできるの?凄い!」という印象を与えられますね。交渉のテーブルでこれらのインコタームズを提案することができれば、交渉相手にも「この人”出来る”。適当なことは出来ないな」とプレッシャーをかけることも可能です。

皆さん、お分かりになりましたか?今まで買手や売手の言われるがまま、提案されるがままのインコタームズで契約してませんか?

ルーティーンで貿易をしている商品も一度インコタームズを見直ししてコスト削減、利益率UPを図ってみることも大事です。

意外な盲点に気が付くこともあります。

それでは、皆さん Let’s expand your logistics versatility!!

 

 

 


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